再び碁石海岸へ

8月26日

大島を巡り、碁石海岸近くへ戻る。

先日宿泊させていただいた旅の途上で知り合ったS氏のお宅に再びお邪魔する。





8月27日


陸前高田のまつり「きてけらっせぁ」に参加する。

ポスターを見て、ふと三千円のチケットを買ってしまった。

「街づくり夢づくり」と銘打った”陸前高田復興まちづくりイベント”とある。

内容もよくわかってはいなかったが、何故か無償に行きたくなったのだ。



まつりは今日と明日の二日間。

昨日までの曇りや雨のぐずついた天気も、今日は嘘のように晴れ渡る祭り日和となった。

人は笑顔である。

祭りは人を笑顔にし、寄り添わせ、強くする。

災厄に立ち向かわせる気力を産み出し、共同体の結束力を強める。

今ほどまつりが大切な時もないのかもしれない。



そして、まつりのフィナーレは花火。



宮古市の田老の花火で幕を開けた石井友規の2011年夏の旅は、陸前高田の花火で幕を下ろす。

歩いて、出会った人。風景。海と空と大地。

凄まじい破壊の跡とあり得ない光景。

人の優しい眼差しと悲しみを秘めた背。

ごく普通のしあわせと希望に満ちた笑顔のアルバム...

誰のものかもわからない遺品を見た時、胸に溢れたもの。

新聞やテレビで見て想像してわかっていたような気でいたが、

圧倒的な現実は衝撃となって身体の中に打ち込まれたようだ。


それと同じように、旅で出会った人達の優しさは、深く暖かく旅する者の心を癒してくれた。

たくさんの悲しみを味わったばかりのはずなのに、彼らは優しく、逞しく、朗らかであった。

人の感謝する心の強さ、無限の力を感じた。


孤独の中でひっそりと出発した旅ならではの自由があったからこそ、

感じることのできた心、世界もあったかもしれない。

あれこれ巡る想いも、また心の中で醸成され、

背骨に染み込んだ石井友規の世界の確かな源となっていくだろう。



そんな石井友規の旅は、今日でひとまず終わる。

明日は早朝のバスで仙台へ。




石井友規は、今度はどんな新しい物語を聴かせてくれるのだろう。

写真の技術については、若さに似合わない卓越したものを持っている。

しかし、それだけではないからこそ、彼は地球写真家なのである。

今後の地球写真家の動向に、注目していただきたい。





地球写真家:石井友規の発案による言葉、理念。

写真を通して地球をよくして未来の子どもたちに渡したい、と、子どもたちに自然と生命、夢について伝える活動にも取り組む活動をし、写真作品を商用利用だけに留めず、環境保全や子どもたちの未来のために活かすことを目標とした写真家の事を指す。



石井友規オフィシャルサイト:http://yukiphoto.net/

石井友規サブサイト:http://yuki.project-yoshi.com/

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E4%BA%95%E5%8F%8B%E8%A6%8F